昔からある建築物は、なぜ長持ちなんだろう

最近の住宅の耐用年数は30年くらいかもしれないと聞いた。
大多数の人のローンが残っている、またはちょうど完済してやれやれといった所だろう。
リフォームなら致し方ないが、建て替えとはとんでもないと思うのではないか。

 

私は明治末期から大正時代の近代洋風建築が大好きでよく見て回るのだが、とっくに100年は経っているだろうに老朽化とは無縁にみえる。
なぜ現役の建物として残っているのか。
神戸の異人館で有名な風見鶏の館も、うろこの家も少しの被害で見事に復活している。

 

私は家の耐用年数とは、思い入れと関係あるのではないかと思う。
家だけではなくすべてのものにも言えるかもしれないが、いい材料を使って、心をこめて作った家は家人が毎日のように手入れし、住みよくなるよう努力を重ねて現代まで受け継がれてゆく。
時代とともに改修し、竣工当時の姿を保っている。

 

しかし、そんな華々しい姿を横目で見ながら今日も取り壊されていく家がある。
我が家も耐震を考えて筋交いを増やして建てた家だが、果たして南海トラフ地震が起こった時にはどうなっているのだろうか。
私が生きている間には起こらないでほしい、そう願うのみである。